リフォームを依頼するうえで少しでも安くしてもらいたいと思うのは当たり前の話ですよね。
電機屋で最新家電を購入するときに必ず値引き交渉するという方も多いと思いますが、リフォームにかかる費用は最新家電の比ではありません。
住宅リフォームにおいても値引き交渉をすることは当然可能です。
ただし、そのためには最低限守らなければいけないルールがあり、意外とルール違反をしてしまっている方も多くおられます。
私が現場管理として、多くのお施主さんから値引き交渉された経験から、成功率をあげるための値引き交渉術をまとめました。
「値引き交渉を成功させたい!」と考えられている方はご参考くださいませ。
この記事の目次
絶対ダメな値引き交渉パターン:
まずは絶対にやってはいけない値引き交渉の方法から。
- 行き過ぎた大幅な値引き交渉
- 値引いて当たり前という横柄な態度
- 工事完了後に値引き依頼をする
これをしてしまうと、間違いなく値引き交渉には応じてくれないので要注意。
交渉に応じてくれないどころか、理由をつけて工事すら請け負ってくれなくなる可能性もあります。
「あなたのリフォームはうちではできませんので、どうぞ他の業者に依頼してください」ということですね。
値引き交渉ってわりと紙一重なことが多いのですよ。
行き過ぎた大幅な値引き交渉:
300万円かかる工事を「200万円にしてほしい」というような相場帯を無視した値引きはひんしゅくを買ってしまうだけなので絶対にやってはいけません。
300万円の見積りを出すということは、業者側の利益を考えても最低でも原価で250万円程度はかかってくる計算です。
それを200万円にするということは単純に大赤字ですよね?
安く工事をお願いしたいという気持ちは分かりますが、それを前面に出してしまうと一発レッドカードになりますので注意しましょう。
値引いて当たり前という横柄な態度:
私が対応したお施主さんの中にも何人かおられましたが、値引きは当然という考えもいかがなものでしょうか。
少なからず ”お客様は神様” と勘違いされている方はおられます。
- いくら勉強してくれるの?
- これだけ値引いてくれたらあなたのところで依頼してあげてもいい
間違っても上記のような上から目線の物言いをしてはダメですよ。
担当も会社の利益を任された人間です。
基本的に、値引き交渉に応じれるだけの値引きしろは計算していることが多いですが、私なら意地でも値引きはしないですし、それで受注に至らないなら結構!と割り切ります。
業者のミスを値引きに転換するのもご法度:
これもよくあるのですが、業者サイドが何かミスをしたことに対して、「誠意を見せてね」といってくるパターン。
それが値引きや補修工事を行わなければならないような重大なミスなら分かりますが、大体はそんなことではありません。
”渋滞に巻き込まれて打ち合わせの予定時間に5分遅刻した”とかですね。
当然、こちら側に非があることに違いはないですが、それで値引きをしなくてはならないかというと必要ないと思っています。
もっと違う方法で値引き交渉するべきです。
工事完了後に値引き依頼をする:
リフォームの依頼前に、工事内容や業者探しで頭がいっぱいになってしまった方がよくしてしまうパターンです。
これもタブーですので注意しましょう。
金額次第で形式は若干変わるところが多いですが、発注書なり請負契約書なりを施工前に業者と結ぶのが一般的です。
- 業者側:この内容で指定工期までに完成させる
- あなた:この金額を支払期日までに支払う
上記が契約書の基本ですよね。
それを工事が終わったころに「やっぱり安くしてくれない?」というのは明らかなルール違反。
値引き交渉は契約前にしておくということを意識しておきましょう。
値引き交渉をするには準備が大切:
工事費用の相場を理解しておく:
値引き交渉を成功させたいのであれば、相場を知っていないと始まりません。
業者側が「これぐらいの値引きであれば利益も出るだろう」と思える適切な値引きを提示する必要がありますよね。
しかし問題は、リフォームでは相場を出すのが非常に難しいということです。
キッチンリフォーム1つをとっても、キッチンのサイズやオプションの有無、クロス貼替などの付帯工事まで行うのかなど、ご家庭ごとに求めているリフォームの内容は全く違います。
相場を知るといっても、あなたのご自宅のリフォームにかかる費用相場を知ることが大切というわけです。
相場を知るために相見積りをとっておこう:
では、どのようにしてあなたのご家庭のリフォーム相場を知るのか。
わりとシンプルで、2、3社から相見積りを取ればOKです。
現地調査に来てもらい、それぞれに見積もりを出してもらうことで、どのくらいの費用が必要なのか、おおよその見当がつけれますよね。
ちなみにですが、相手業者の見積りは値引き交渉の手札としても有効に使えますので、必ず相見もりを取るようにしましょう。

最終的な落としどころを決めておく:
見積りが揃い、おおよその相場を出すことができれば『その金額に対してどの程度なら値引きの対応をしてくれるか』検討することができます。
値引きのボーダーラインは5%から最大でも10%程度が限界です。
この値引きゾーンの間で、最終的にお願いしたい金額(落としどころ)を決めておき、その金額に向けて値引き交渉をすれば成功率がグンと上がりますよ。
業者との信頼関係を築いておく
そして、ある意味最も大切なのが、業者との信頼関係を築いておくことです。
「仲の良い友人からお願いされたことは断りにくかった」という経験も多いかと思いますが、業者も同じで、信頼関係を築けているほど圧倒的に値引き交渉は成功しやすくなります。
信頼関係を築くといっても難しいものではなく、
- レスポンスを早くする
- 横柄な態度を取らない
- どうすればよりよくなるか相談する
上記のような簡単なことで良いわけです。
コミュニケーションを取れば取るほど、信頼関係は築けていけますので、値引き交渉をするなら特に重要視しておきましょう。
※間違っても菓子折りを持参するというような話ではないのでそのあたりはご注意くださいませ。
成功率の高い値引き交渉術3選:
ここからが本題。
いわゆるよくある3パターンをご紹介しています。
結局のところ、「欲をかいて大幅な値引きを試みたけど業者に蹴られてしまった」というようなパターンがほとんどなので、成功率を上げたいなら基本に忠実でいるべきですよ。
端数をカットしてもらう:
1番簡単かつ、ほとんどの確率で成功するのが “端数カット” です。
「端数だけでも切ってもらえないでしょうか…?」というだけなので、交渉ノウハウのようなものは一切必要ありません。
- 315,000円→300,000円
- 2,280,000円→2,200,000円
上記のようなイメージ。
端数カットは業者側も当たり前のように想定していますので、断られることはほぼないといっていいでしょう。
税別金額を税込金額にしてもらう:
かなり難易度が上がりますが、 “税別金額を税込み金額にしてもらう” というのも値下げ交渉の1つの方法です。
- 30万円(税別)→30万円(税込)
- 200万円(税別)→200万円(税込)
税込にしてもらうことで消費税の10%分を値引きしてもらうことと同義になりますよね。(消費税を支払わないわけではない)
値引きの一般的なラインは5%~10%ですから、最大値です。
業者との信頼関係が築けており、交渉ができるのであれば値引き率も高くなるのでおススメかなと思います。
他社の金額に合わせてもらう:
条件付きですが、成功率が高いのが “他社の金額に合わせてもらう” 方法です。
- 複数社から相見積りを取っている
- 依頼する業者と信頼関係を築けている
- 依頼する業者より相手業者の方が金額が安い
上記のような条件がそろっている場合、「御社に依頼したいと思っているのですが、A社が少し安いです。なんとかこの金額に合わせてもらえないでしょうか…?」でOK。
大切なのは、あくまでも横柄な態度を取らないということ。
何度も繰り返しますが、「依頼してあげるから安くしてよ」は絶対に交渉に応じてくれませんよ。
まとめ:
成功率を上げるための値引き交渉の方法についてご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
少しでも安く依頼したいという気持ちは分かりますが、ルールを破った交渉では結果的に値引き対応だけでなく、依頼を受けくれないという可能性もあります。
- 業者と友好的な信頼関係を築く
- 相場を知るために相見積りを取る
値引き交渉には必須のことですので、リフォームを検討されている方はご参考くださいませ。
※リショップナビならインターネットで相見積りの依頼が可能なので、ご活用いただければと思います。